春夏秋冬


今の声はどこから聞こえた?


あたしには、桜から声が聞こえた気がする。

しかししかし、桜が話すはずがない。


それにあたしは見つけてしまった。


桜から少し離れて眺めてみたら……腕が見えた。

木からはみ出して見えている……制服だと思われる腕。


木の反対側を見た。


「……なに?」


そこには男の子がいて、目だけでこっちを見た。


「……心の叫び、続けないの?」


あたしは、この人に言いたいことがある。


それはこの状況ならだれもが思うことだと思う。

意を決して、伝える。


「……だれ?」


――と。
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