春夏秋冬
彩る葉も落ち、白い息が目立ち始めた今日この頃。
彼女の前を、誘導するかのように、手をつないで歩いていたナツが言った。
「ったく冬のヤツ、意味わかんねぇ」
「冬くん?何かしたの?」
「睦月……あ、卯月の妹な。アイツ睦月に片想いしてんの」
「え?まだ妹いたんだぁ……。……って、冬くん片想い中なの?」
「いいや、両想い」
「え!?」
で、でもさっき片想いって言ったよね!?
「冬が……互いが告白しないままだからずっと平行線のままなだけ」
「……そっかぁ」
想いが通じ合えばいいな。
「まぁ今更だけど、一時期アイツ嫌ってたのは睦月が関係してたんだよな」
……あ!
睦月さんてまさか、あの日言ってた……!
また白い季節がやってくる。
end...