リスカ男、波乱の日々
「眠くないのかい?」

父の言葉に佳恋は頷いた。

「最近は熟睡なんてしてないの。

だから慣れちゃったみたい」

「夜中にリストカットする癖があるのか?

うっすらと傷が見えたが」

「ここ数週間はやってないけれど、

そうだったみたいよ」

「佳恋は同情しているのか?」

「違う…と思う」

「同情と恋愛を混ぜてはいけないよ」

「わかってる」
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