My girl
ズキン、と心臓に嫌な痛みが走り抜けた。
「――…ちゃん、が」
「え、?」
美桜のひとつの、癖。
何か大切なことを伝える時、声が小さくなること。
小さく“する”のではなく、小さく“なってしまう”。
美桜の抱えている秘密が、そうさせているんだろう。
「――帰る」
「送ってく」
「お、おりる……!」
何を考えたか、今になってジタバタとあばれ出す美桜をしっかりと抱きかかえて。
ふたりで、夜の街へと――繰り出した。