My girl



「家、新しいんだね」

「お父さんが亡くなった後に……使いやすいようにって建て替えたの」


使いやすいように?
そう、聞くと。

1階の半分は、お父さんが開くお店で使っていたから。


ポツリ、遠くを見ながら呟いた。

どんな店を開いていたんだろう。


家も、1階の部分は店として出してるから。


いつか――聞けばいい。



それよりも衝撃だった事は……

お父さんが
亡くなっていたことだ。


……って事は今、美桜は


――お母さんと、“お兄ちゃん”と3人暮らしなのか。


闇に慣れてしまった瞳のせいで、気付くのが遅れてしまった。


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