My girl


白い頬に、透明なモノが伝う。


月明かりを含んで
深い青に黄色が混じった……色。


それは、美桜の涙――。




「俺は……大丈夫だよ」

大きな瞳から溢れ出す透明なしずくは、

やがて地面へと落下し、丸いシミを作っていく。



きれい過ぎるその涙が、黒く汚れた地面へ落ちるより先に


人差し指で何度も拭っていく。




「……美桜、――泣かないで」


冷えたその頬に、キスを落とす。



すると、美桜の手が俺の背中に回ったのが分かった。



「ここに来たのは……美桜の、…“すべて”を受け入れようと思ったから」


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