My girl


ヒトの温もりを知らない美桜には一緒に過ごすことすら、意味を持たないだろう。


そんなの、寂し過ぎる。



モノと引き換えに、
カラダを差し出すなんて。

それに……



「震えてる……」

胸の中に抱かれたネコは、まだ頼りなく震えたまま。

安心した表情を、見せてはくれない。



「……イヤ?…私が…汚いから」


その言葉と共に、
胸の奥でつっかえたままの感情が

小さく、弾け飛ぶ。





「本当に、俺がそう思ってるように見える?」

抱きしめていた腕を少しだけ緩め自分から視線を絡ませる。



「……思って、ない……」


< 148 / 311 >

この作品をシェア

pagetop