My girl


本当にふたりを止めることなんて出来るのか

あの光景は……

オヤジが美桜の母親を愛しているのは明確だった。

もう、戻れない所まで来てしまっているのか。


冷えた体に、ふと……
温もりを感じる。



「……未来」

出会った頃よりも、だいぶ俺に慣れてきたらしいネコは

俺の胸の中ですり寄ってみせた。



「ちゃんと……話してみる」

口数も順調に増えていって。


これは……
俺に懐いてきている、証拠。



「……さんと、」

お母さんと、ね。

声が小さいのは、相変わらずだけどね。


「もぉ……っ、聞いてる?」

小さな手をグーの形に握りしめ、俺の胸を叩いた。


「ちょっ……加減して」


< 168 / 311 >

この作品をシェア

pagetop