My girl

でも俺たちの方が、その何倍も驚いてんだよ。



「来月から、彼女にはこの店で働いてもらう」


――そこで、問題があるんだが。



やっぱり。

オヤジの意志は固かった。


美桜の母親、咲良さんを雇うことは

俺がどんなに言ったところで
きっとその考えは曲がらないだろう。



「彼女の娘、美桜ちゃんだけ……ここに置いて欲しいと。自分は今の家から通うと言われたんだ」



美桜だけをここに置いて
自分は家から通う……？



オヤジの言葉を、頭の中で再生しながら自分なりに整理してみる。



もしかして、それって――。



「彼女には、ふたり子供がいるそうでね。そのお兄さんの方が…」