My girl
「さっき……お母さんから電話があったの」
やっぱり。
美桜の様子がおかしかったのは、そのせいだ。
ベッドの上にいた時、美桜はケータイを握りしめていた。
「来週から、ここに住まわせてもらうこと。学校も……今通っている高校は遠いから」
「こっちの学校に転校するってこと?」
「……う、ん」
美桜の表情がどんどん曇っていくのが分かる。
きっと自分に起こった出来事を、すぐには整理出来ないんだろう。
でも、これだけは
……分かっていて欲しい。
「もう、……離さないから」
目が離せない程
自由で
弱くて、そのくせ強がりで
――危なっかしい、ネコ。
ひんやりと冷たいガラスのテーブルの上に、頬杖を付きながら
ホットミルクを飲み続ける美桜を意地悪に見つめ続けた。
「……そ、そんなに見ないで…」