My girl
「何で?」
「未来のイジワル……」
泣きそうな瞳で見つめられると、もうたまんない。
美桜の兄――アイツもこんな気持ちで美桜に触れ続けたのか。
こんな、気持ちで。
アイツと同じ“気持ち”
それが頭に浮かび、背筋に冷たいモノが駆け巡る。
……けど
「ごちそうさまでした」
俺は、アイツとは違う。
美桜を……守ってやれる。
そう言い聞かせて
「ちゃんとお礼が言えるなんて、えらいえらい」
「も、もう……っ!」
美桜をからかうフリをして、心の内をうまく隠してみせた。