My girl


美桜のグラスを自分の方へ引き寄せると、用意していた氷をグラスの中に落としていく。



「これは……未来、」

「そう。炭酸水を凍らせて細かく砕いたモノを入れると……」

オヤジも交えて、説明。



「「わぁ……」」

親子そろって声を合わせる目の前のふたり。



「花火みたいだろ?」

桜色のカクテルの中で、小さな泡が弾け飛ぶ。



「わ、おいしい……」

桜色の花火を楽しんだ後、口の中に広がるのは、シュワッと弾ける炭酸の独特な風味。



「これはいずれ……店にも出せるよ」

もっとたくさんの泡を出すには……、一色だけじゃなくもっとたくさんの色を…と考えるオヤジに


「ふふ、仕事に熱心なのは分かるけど今は食事を楽しみましょ」

そう言って、ナイフとフォークを両手に持ってオヤジを誘う。


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