My girl
「未来くんっ」
何人か集まっていた集団の女子が一斉に俺を振り返る。
俺と美桜が一緒に暮らしているのは、みんな知ってる。
こんな易々と近付けるのもこのおかげだ。
「ちょっと、ごめん」
女子をかき分け、真ん中でひざまづく美桜を見つける。
「大丈夫だよ。これくらい……」
……?
そう言って微笑む美桜だけど、どこかがおかしい。
転んだのか、ひざが擦りむけ血が滲んでいる。
元々白い顔が青白くなって、心なしか肩が小刻みに震えている。
この表情――俺、知ってる。
「きゃああっ」
周りで騒ぐ女子の悲鳴なんて気にせず、その小さくて軽い体を抱き上げた。
「自分で歩けるよ……っ、」