My girl


「……転んだのね?消毒と、絆創膏でいいかしら」

「――はい、お願いします」


保健室の直前で、抱いていた美桜を下ろしふたりで入る。



「よっぽどビックリしちゃったのね」

顔が青白いままの美桜を見て、
“違う”解釈をされてしまう。


美桜が怯えているのは……アイツのせいだ。


“転んだ”せいじゃない。



わざわざ高校まで見に来るなんてどうかしてる――。


これからは、美桜から一層目が離せなくなる。

今までは……美桜狙いの男子の目だけだった。


けど、これからは――
桁がまるで違う危険度Sランク、アイツからも美桜を守らなければいけない。



もう美桜には……あんな顔はさせたくないから。



「そんなに大きな傷ではないから。早く治るといいわね」

最後にポンッと美桜の背中を叩かれた後、ふたりで保健室を後にした。


< 221 / 311 >

この作品をシェア

pagetop