My girl
「気分が悪いなら、早退する?俺も一緒に帰るよ」
「大丈夫」
強がりなネコは、弱い部分をなかなか見せない。
「未来がいるから……、大丈夫」
小さな手で俺の制服をキュッと握ると、ポソッと呟く。
一見弱そうなネコは……俺が想像してたよりも、芯がしっかりしているよう。
もう、授業も終わる時間。
「教室戻ろう?」
そう言う美桜に――
「ちょっとだけ」
「ひゃっ」
美桜の手を、思いっきり引っ張って背中側にあった空き部屋へと滑り込む。
「ちょっと充電」
「んっ、もう……」
美桜の小さな唇に、自分のそれをそっと重ね合わせる。
アイツの前でキスしてやればよかったかも。
そんな子供じみた考えを取り払うように、何度も角度を変えながら美桜の唇をついばんだ。