My girl


「気分が悪いなら、早退する?俺も一緒に帰るよ」

「大丈夫」


強がりなネコは、弱い部分をなかなか見せない。


「未来がいるから……、大丈夫」

小さな手で俺の制服をキュッと握ると、ポソッと呟く。



一見弱そうなネコは……俺が想像してたよりも、芯がしっかりしているよう。



もう、授業も終わる時間。



「教室戻ろう?」

そう言う美桜に――


「ちょっとだけ」

「ひゃっ」


美桜の手を、思いっきり引っ張って背中側にあった空き部屋へと滑り込む。



「ちょっと充電」

「んっ、もう……」


美桜の小さな唇に、自分のそれをそっと重ね合わせる。


アイツの前でキスしてやればよかったかも。


そんな子供じみた考えを取り払うように、何度も角度を変えながら美桜の唇をついばんだ。


< 222 / 311 >

この作品をシェア

pagetop