My girl
◆CakeBattle
「美~桜チャンっ」
帰りの時間。
バックを肩に掛けようとした時。
前から、斜め前の席へ志月の甘ったるい声が響いた。
俺の斜め前の席は――、美桜な訳で。
「なぁに?」
すっかり志月とも打ち解けて、仲良しになってしまった。
そんな関係にイラッとする俺。
ま、仕方ないよな……同じクラスなんだし。
「ケーキバイキングの割引券、バイト先のセンパイからもらったんだけど……どう?」
「ケーキ、バイキング……?」
途端、美桜の表情がパアッと明るくなる。
そりゃあもう、――つぼみの花が開花した瞬間みたいに。
「い、行く……っ」
「よっしゃ」
ガッツポーズをする志月。
「たまには彼氏抜きで、なんてどう?俺とふたりで……さ」