My girl
「……った!…テメェ」
美桜にそう言うと、志月の手めがけて軽くチョップ。
あっさり離れた手を見て、フッと鼻で笑ってやった。
「美桜は俺とだけ、繋いでればいいの」
数メートル後ろで、威嚇の遠吠えをしている志月をスルーし
「行こっか」
「うん」
ふたり仲良く手を繋いで校門を出た。
本当は、今日の体育の最中の出来事なんかもあって
家に帰った方が安全かなって思ってたけど。
美桜の楽しみや笑顔を奪ってまでは、したくないんだ。
いつだって、美桜を守れるようにって。
繋いた手に力を込めたら、冷たかった手に温もりが灯った。