My girl
「未来、新しいの取りに行こ?」
ガタッと席を立つ美桜。
「ほら、志月も」
そう言われ、美桜に手を取られる志月の体は震えている。
「え~っと……え~っと、シフォンケーキに、あっ!チョコレートファウンテンもあるっ」
「……ひっ」
志月の顔が、青白い色から白に変わっても、何のその。
「――美桜」
小さいくせに、よく食うな。
シフォンケーキを、もう何枚目か分からないお皿に乗せている。
「未来はもう、いいの?」
「ああ。充分食った」
チラッと隣の志月に、視線を移動すると、さっきよりもあきらかに震えが大きくなっている。
「じゃあ今からは、志月と食べ比べっこだね」
シフォンケーキの隣、チーズケーキを取り分けて自分のお皿に乗せてしまった。
「い、いや……お、おおお俺」
「はいっ」
カタカタと震える志月のお皿の上には、今置かれたばかりのチョコレートケーキ。