My girl


「未来、新しいの取りに行こ?」

ガタッと席を立つ美桜。


「ほら、志月も」

そう言われ、美桜に手を取られる志月の体は震えている。


「え~っと……え~っと、シフォンケーキに、あっ!チョコレートファウンテンもあるっ」

「……ひっ」

志月の顔が、青白い色から白に変わっても、何のその。


「――美桜」

小さいくせに、よく食うな。


シフォンケーキを、もう何枚目か分からないお皿に乗せている。



「未来はもう、いいの?」

「ああ。充分食った」


チラッと隣の志月に、視線を移動すると、さっきよりもあきらかに震えが大きくなっている。


「じゃあ今からは、志月と食べ比べっこだね」

シフォンケーキの隣、チーズケーキを取り分けて自分のお皿に乗せてしまった。



「い、いや……お、おおお俺」

「はいっ」

カタカタと震える志月のお皿の上には、今置かれたばかりのチョコレートケーキ。


< 227 / 311 >

この作品をシェア

pagetop