My girl
◆Last Peace
――コンコン
「……未来?」
美桜が部屋に入ってくる気配を感じた。
あれから何度か密会を重ね――、ある真実が浮かび上がって来たんだ。
「寝ちゃったの……?」
ベッドのすぐ脇、目をつぶっていても美桜がすぐそばにいるのが分かる。
俺は重たいまぶたを下ろしながら眠気と戦っていた。
あれ、……?
ネコって夜行性だっけ?
美桜もたまにウトウトしてる時があるけど、そんなモノは断絶俺の方が多い。
夢の中に落ちていく瞬間
意識を手離す瞬間
――いつも聞こえてくるのは
「おやすみ」
美桜の甘いソプラノ音。
それを聞く度、その声に背中をトン、と優しく押され俺は落ちていくんだ。
足元に広がる深い闇の中へと。