My girl
こうして、浮かれることで生まれる隙間。
少しの間でも、“アイツ”に隙を見せてはいけなかった。
すぐそこまで、黒い影が近付いて来ていたなんて。
俺たちの幸せに、容赦なく土足で踏み込んで――
呆気なく壊されて、メチャクチャにされて。
感情の読み取れない冷え切った顔美桜に対しての異常な執着心。
俺の中で、この事件は解決したと思い込んでいた。
――でも、“アイツ”がああなってしまったのは、この事件が関係していること。
その事件に、美桜が深く関わっていたこと……。
もう少し早く気付いてれば、美桜を失わずにいれただろうか。
負のスパイラルは、更なる深い闇を求めて、今日も墜ちていく。