My girl


「見つかったか?」

「いいえ……家にも帰っていないって…姉の家にも電話を……」


結局、昨日せっかく美桜が作ってくれたハンバーグも何もかも。

胃の中に入っていたものは、全て戻してしまった。


それでも吐き気は治まらなくて。


最後の方は、胃液まで――…。

口の中に広がる苦味、それがまた嗚咽を呼んで。


美桜の香りが残るバスルームを、一旦換気し、後で入るようにふたりに促され。


もうほとんど動かない、だるくて重い体を引きずりながら。

壊れたベッドの横、そのスペースに布団が敷いてあり今はおとなしく寝ていた。


嫌でも目に入る、粉々に砕けたベッド、あの光景。



「う……っ」

蘇る、吐き気。


俺は
一体どこまで落ちるのだろう?


終わりがないのなら、美桜がもう帰って来ないのなら――。


このまま落下し続け、最後に待つのは“死”なんだろうか。


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