My girl
「ちょっと待て……!だってオヤジは咲良さんと」
「それも惹かれ合うことのないまま、未来は進んでいくんだ」
――そして、君は美桜とは違う、別の女の子に恋をして、それで
「……もういいっ!」
スラスラと“俺”の未来を淡々と喋られ続けることに無性に腹が立った。
確かに、未来への可能性は100%と言える。
予知出来ないからこそ、その可能性は無限に広がるんだ。
俺の未来を、こんな奴に決められてたまるかよ。
仮にも、“自分”に――。
「何も、聞かねぇよ……」
どうせ、さっきと同じようにあらかじめ用意されている言葉を
この口が勝手に動いて喋ってくれる。
言いたいことも、涙を流すこともままならないまま。
美桜を失った今、
“美桜のいない未来”なんて俺には考えられない。
いつかは、帰って来るって。
その可能性を自分から失いたくないんだ。
ねぇ、美桜……
俺はずっと――ずっと待ってるから。