My girl
幼い自分の小さな手を見つめながら、未来を祈った。
きっと、母さんが作って来てくれるホットミルク
それを飲んで眠りにつけば、帰れる、って……なんとなく分かってた。
美桜を失ってまで、確かめたいことなんかない。
そう、決意を決めて。
この時、“俺”見て、ほくそ笑んでいる鏡の中の自分に
俺は、気が付くことが出来なかった。
階段を上ってくる足音。
その音に、俺はまぶたを閉じてしまっていたから。
懐かしい音と、あの頃の母さん。
目をつぶって、今だけでも懐かしい記憶に浸りたかった。
「これ、飲んでみて」
「ホットミルク?」