My girl
「美桜……」
――良かった。
俺の記憶から、美桜は失われていない。
……ちゃんと、思い出せる。
――『月がきれいだよ、未来』
ホットミルクの入ったカップを小さな両手で包み込みながら。
子供でも、大人でもない、危うい魅力。
月に照らされて、こちらを振り向く美桜はこの世のものとは思えない程、きれい過ぎた。
――『あったかい』
小さな体をすり寄せながら俺の胸で眠るネコは、驚く程温かかったっけ。
――『も、もう……!』
気持ちを抑えられずにキスをすると、美桜はすぐに顔を赤くしたよね。
大丈夫、俺の記憶の中の美桜は、きれいなまま。
いつまでも色褪せないよ。