My girl
見上げた空は、重たそうな灰色の雲にただ包まれるばかりで。
眩しい程の光が、ソレを見るのを邪魔した。
高く手を掲げ、光を視界から外しまた俺は空を見上げる。
「明日は雨、かな……」
そこにあったのは
さっきとなんら変わりない、うす汚い色をした空だった。
――『離して――……ッ』
細い路地の向こう側。
あの角を曲がった道だろうか。
連なる店から
聞こえてくるような声じゃない。
柔らかい、でも…強い意思が混ざり合ったような声。