My girl
「お母さん、の……お姉さんの所に…無理を言って、」
――泊まらせてもらってたの。
予想していなかった答えに、美桜の上に覆い被さっていた自分が急に恥ずかしくなった。
「未来は……、どうしてそんなに怒ったの?」
「……」
純粋な瞳を向けられると、俺の汚い部分を見透かされたような気がして。
「ねぇ、どうして?」
「……」
ほら、何も言えなくなる。
「――ヒドいよ」
俺が荒々しく外したボタンを、細い指が元通りにしていく。
むうっと膨れたまま、チクチクと刺さる視線を向ける美桜に
どうにか言い訳を考える。
考えてみれば、ホテル代に体を差し出す、とか。
そんなことを考えること自体、おかしい。
やっぱり俺は、美桜が絡むと自分を見失うんだ。