My girl
「教えてくんなきゃ、また出てっちゃうよ」
「――それはマジ、勘弁」
いつにも増して、口が達者なネコは俺を相手に反撃を開始する。
「どうして?」
主人と、ペット。
立場が逆転した俺らは、周りから見れば実に滑稽だ。
俺の下にいたはずのネコは、今度は俺の上に乗っかっている。
「わ、私も……未来に意地悪するんだからっ」
何を考えたか、さっき俺がしていたように俺の手首を弱い力で抑えつけると。
「……っ」
俺の耳に唇を近付けてくる。
距離がゼロになった時
不意に唇からちょこんとはみ出した舌先で舐められて、上擦った声を出しそうになる。
ちょ……っ、こんなのマジでヤバいだろ。
なんてことするんだ、このネコ。
――しつけが必要だな。
「ストップ」
「ひぁっ」