My girl
俺が起き上がれば、自然と美桜は上からずり落ちる。
抑えつけられていた手首も、こんなに弱い力じゃ、俺を拘束するなんて出来やしない。
「どこでこんなの覚えたの?」
美桜の腰に腕を回して、逃げないよう固定。
「何も言わないでいなくなった美桜には、お仕置きが必要かな」
そう言って、カプリ。
赤くなった耳に、優しくかじりつく。
ご主人さまと、ペット。
この甘い関係は、崩しちゃダメでしょ。
「とりあえず、今夜は離さないから」
満月の夜に拾ったネコは
“ペット”の枠を軽々飛び越え
“恋人”へと、無事昇格。
傷だらけだったネコは、いつしか俺にとって大切な存在へと変わっていったんだ。
まぁ、とりあえず。
「おかえり」
帰ってきた愛しいネコを、しっかりと抱きしめた。