My girl
まるで童話の世界に
迷い込んだように
その唇に優しいキスを
落とす――
確か
王子さまのキスで目覚めるんだ。
一瞬だけ
触れるようなキスをすると……
「……ん…」
美桜の肩がピクッと震えた。
シーツを肩までしっかりかけてあげると、安心した笑みを浮かべたように見えたのは
――気のせいかな?
開けっ放しの窓はちゃんと閉めておくことにした。
カーテンを閉めようとした時。
「やめとこう」
部屋をうっすらと照らす柔らかい光を遮りたくはなくて。