My girl
小さめの鍋に、牛乳を沸かして
優しい甘さに味付けて。
ヒミツを、1滴。
「ホットカルーア・ミルク?」
白いカップを手にしながら、美桜が首を傾けた。
「…そ、よく眠れるはずだから」
小さい手でカップを包み込むように持つと、それを口に運んでいった。
コクッと、控えめな音を出しながら美桜の喉を流れていく。
「……ん、おいしい…」
カップに鼻を近付けてクンクンと匂いを嗅いでいる。
微かに赤く上気したほっぺに、潤んだ瞳。
いつも見る、真っ直ぐでサラサラな髪とはまた違った……
寝ぐせのように緩くうねった柔らかい髪の毛、
その髪から香る、俺と同じシャンプーの香り。