My girl
俺の腕の中で、ぼおっと一点に集中していた視線が
やっと俺を捕らえる。
「――会える?」
自分でも、ヒヤッとした。
体は熱いのに……
背中に伝う汗は、どこまでも冷たかった。
こんな事、言っている場合じゃないのに。
「……ん」
どっちとも取れる、生返事をした美桜の答えは
多分、yes。
しっかりと俺の瞳をどこまでも深く、探る視線と。
小さな手に込められた――強い、意志。
それが、物語っていたから。