*Long messerge*上
病室に戻る道で、
海が麻燈の手を強く握り締めた。

「どうした?海」

麻燈は、海に問いかける。

「………」

それでも、
海は何も答えないまま歩いていた。

――どうしたんだろう。

と麻燈は、思っていた。

その時、
海が立ち止まり、口を開いた。

「俺もさ、お前の傍にずっと居る。
だから、一緒に病気と闘って
家に一日でも早く、戻ろうぜ。

そんで……
幸せになろう」

海は、照れくさそうに、麻燈の手を握り締めたまま言う。

「うん。」

麻燈は、笑顔でそう答えた。



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