Tea Time Romance
《1》Mint, Linden Flower, and Rose
1.
その女(ひと)に出会ったのは僕が大学4年の夏、カフェテラスでアルバイトをしていた時の事……
近年の不況の中、どこの会社がいいなんて贅沢は言っていられない。
何となく入った大学、何を目標に勉強してきた訳じゃない。特に思い入れのある職業なんて決めていないので、早々に内定をとりつけた。
「……ところで君、今年の夏は何か予定はあるかい?」
突然人事部の面接官にそう言われ、僕は面喰らった。
まさかこれも試験の一つじゃないだろうな。僕は疑心暗鬼になりながらも話を聞く。
「いやぁ、系列のホテルで臨時のアルバイトがなかなか集まらなくてな。
どうだ、時給ははずむからやってはくれないか」
幸い、後は卒論を残すのみ。とりたてて予定など入っていないので、秋口まではバカンスとしゃれ込もう。
そうして僕は、海沿いのホテルでアルバイトをすることに決めたのだ。
近年の不況の中、どこの会社がいいなんて贅沢は言っていられない。
何となく入った大学、何を目標に勉強してきた訳じゃない。特に思い入れのある職業なんて決めていないので、早々に内定をとりつけた。
「……ところで君、今年の夏は何か予定はあるかい?」
突然人事部の面接官にそう言われ、僕は面喰らった。
まさかこれも試験の一つじゃないだろうな。僕は疑心暗鬼になりながらも話を聞く。
「いやぁ、系列のホテルで臨時のアルバイトがなかなか集まらなくてな。
どうだ、時給ははずむからやってはくれないか」
幸い、後は卒論を残すのみ。とりたてて予定など入っていないので、秋口まではバカンスとしゃれ込もう。
そうして僕は、海沿いのホテルでアルバイトをすることに決めたのだ。