Tea Time Romance

2.

 そろそろ五時になろうという頃、にわかに空がかき曇ってきた。

「こりゃ一雨来るな、テーブルを片付け始めてくれ」

 マスターの声がかかり、ぼくはテラスへ飛び出した。
 一つ、また一つと片付けるうちに、雨粒が落ちてくる。同時に、雷が鳴り始めた。
 慌てて物置を開け、テーブルを運び込む。

 土砂降りの雨の音にふと目をやると、彼女が帽子を押さえて物置へと飛び込んできた。
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