Tea Time Romance

3.

「早いもんだな、一月経つのなんて」

 マスターがグラスを拭きながら呟く。
 僕はもう荷造りを終え、最後にコーヒーを一杯おごってもらっている。

「就職してからでも遊びに来てくれよな。
 どうも君は他人のような気がしない。女の扱いが不器用なところが似ているからな」

 まだ未練があるのを見透かされたような気になって、頬が熱くなるのを感じる。
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