Tea Time Romance

2.

 ……甘かった。バカンスどころじゃない。



そこは亜熱帯風のビーチがある観光地で、OLやらカップルやらで賑わう。
 大学生活4年間というもの、恋人らしい女を作らなかった僕は、このアルバイトを選んだことを後悔し始めていた。

 正午辺りは軽く食事でも……という客が多く、てんてこまいの状況。一息つけるのは午後3時を過ぎた頃からだ。
 夏ともなると、わざわざお茶の時間をとろうという酔狂な客はそうそういない。



 ……だけど、彼女は違ったのだ。
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