甘い魔法―先生とあたしの恋―
「……うん」
「じゃ、決まり。いいか? 絶対に誰にも言うなよ?」
「うん……じゃあ」
なんだか納得できないまま、でも向かい合ってるのもちょっと変な感じがして、クローゼットを閉める。
……まぁ、あたしが開けなければ見えないし。
でも、入ってこようとすれば入れるよね。
でも先生だし……。
それに、いかにも女には不自由していません的な顔してるし。
まぁ……よくないけど、どうにもできないし仕方ないか。
……あたしのせいだし。
後で仕切りように何かビニールだとか生地を買ってつるせばいっか。
やっぱり腑に落ちないものの、元の原因を作ったのはどう考えてもあたしで。
あまりの展開に、しばらく、何もしないでクローゼットを見つめていた。
そして、それを無理矢理頭の中に整理しようとした時……。
ケータイが鳴った。