甘い魔法―先生とあたしの恋―
ずっと……
捨てなくちゃいけない想いだと思ってた。
ずっと、届かない想いだと思ってた。
先生が、受け止めてくれるなんて思ってなかった。
だから、
信じられなかった。
「教師」と「生徒」
先生の行動は、いつもその関係を主張してたから。
いつだってそうだったから。
だから、その厚くて高い壁を乗り越えるなんて事、無理だと思ってた。
……―――だけど。
先生の抱き締めてくれる腕が
先生の胸から聞こえる心臓の音が
肩にかかる柔らかい髪が……
先生の言葉を、現実なんだって教えてくれる。
先生の気持ちが、本当なんだって……
教えてくれる――――……
「先生……」
「ん?」
「……冷たい」
「……我慢しろ」
先生と笑いながら、しばらくの間抱き合ってた。
幸せな時間。
遠くから笛の音が微かに聞こえていた。