甘い魔法―先生とあたしの恋―
「……あんなキスで仕返ししたつもりか?」
一気に縮まった距離に、先生を見上げるとそんな言葉を掛けられて……次の瞬間、先生の唇が重なった。
「……っ……、…」
唇をなぞる先生の舌の感触に、あたしの身体が一瞬竦む。
先生は少し笑って……、そのまま深く唇を重ねた。
今までしたキスとは違うキスに、身体を強張らせる。
だけど、先生の丁寧でいて攻めるようなキスに次第に力が抜け落ちていって……。
そんなあたしを抱き締めるように支えながら、先生はキスを続けた。
「…んん……ぁ、…やっ…」
次第に熱を帯びてくるキス。
執拗なキスに困惑して声を上げると、先生はやっと唇を離す。
すっかり力の抜け切った身体で、それでも睨んでみると、先生は満足気に微笑んだ。
「もうギブアップか?」
「……~~っ」
すごく悔しくて。
すごくすごくドキドキしていて。
言葉の出なくなったあたしは、先生の胸を叩いて無言の抗議をする。
「そんなん痛くもかゆくもないけど? 随分可愛い抵抗だな」
「……っ」
ニヤニヤしながら見つめてくる先生から、打ちのめされたあたしは目を逸らして俯く。
それでも視線は感じたままで……先生に見られてると思うだけでつむじのあたりがむずむずしてくる。