甘い魔法―先生とあたしの恋―
「……出張って、そんなに大変なの?」
「んー……まぁ。
……今日は出張の後、偉いおじさんと面と向かって真剣に話したりしたから余計な。
教師面してたら疲れた」
「教師面って……普段いい加減な事ばっかりしてるから疲れるんだよ」
あたしが笑うと、先生もふっと小さく笑みを零す。
テレビもない部屋で先生と2人きりっていうのは……結構緊張度が高い。
それをもっと高めるのは……あたしの左肩を抱く先生の手。
そわそわして落ち着かないでいるのを気付かれないように、小さく深呼吸を繰り返していると、先生があたしの顔を覗き込んだ。
「……こうしてると落ち着くよなぁ?」
「……うん」
ドキドキしながら頷くと、先生は何故か笑い出して……あたしを見る。
「嘘つくなよ。緊張してるのバレバレなんだけど。
……本当に素直じゃねぇよなぁ」
先生はそう言いながら、あたしの前に回り込んで、両手をベッドについた。
……その中にあたしを閉じ込めるようにして。
「……っ?!」
背中にはベッド。
左右には、先生の腕。
目の前には……、先生。
狭い空間に閉じ込められて、チラっと先生を見上げる。