甘い魔法―先生とあたしの恋―
「……な、に?」
「今朝の約束思い出した。
素直にさせる約束してたよな? ご希望通りそうしてやろうかと思って」
「別に約束なんかっ……」
「それと……昨日俺をバカにした罰だな」
「罰……?」
『昨日』
言われた言葉に記憶を辿って……。
昨日やきもちを妬いた先生をからかった事を思い出した。
思い当った理由に顔を上げると、意地悪に微笑む先生の顔が目に映って……用意していた言葉が喉に留まる。
「あと、俺を妬かせた罰……」
その言葉と同時に落ちてきたキスに……、あたしはゆっくりと目を閉じた。
「……、んっ……、……」
この前よりも深いキス。
戸惑いながらも先生に応えようとして……でも、奪うような口付けに、先生を受け入れるだけで精一杯だった。
自然と頭が逸れてしまうあたしの背中に、先生が手を回して自分の方へと抱き寄せる。
苦しいほどに続くキスに、だんだんと頭がぼんやりしてきて……。
流されそうになっている自分にはっとして、あたしは先生の胸を押した。
その行為に、先生はやっと唇を離して。
赤く火照っているハズのあたしの顔を見つめて、おでこをくっつけた。
「今日はまだ許してやんねぇからな……?」
「……っ」
意地悪に口の端を上げた先生が、あたしのおでこにキスをする。
おでこ、頬に軽くキスをした先生の唇が、あたしの耳に触れて……、ぞくぞくした感覚に、身体を竦ませた。