甘い魔法―先生とあたしの恋―


 ※※※



「先生のばか!! 教えてくれればよかったのにっ!」


18時30分、ドアを開けた先生を怒って迎え入れた。

寮のドアを開けた途端に怒り出したあたしを見て、先生は楽しそうに笑う。


「だっておまえ気付いてないみたいだったから。つぅか、ちゃんと教えてやったろ?」

「授業中なんかに教えないでよっ! っていうか絶対わざとでしょ!!

放課後、みんなに色々言われて超大変だったんだからね?!」

「あー、それでコレなんだ?」

「……っ」


あたしの鎖骨の上辺りの絆創膏を指で触りながら、先生がふっと笑みを零す。

意地悪にも取れる笑みに、先生の手を払いながら不貞腐れる。


「みんなに何聞かれたんだよ」

「……彼氏がどんな人かとか、何歳かとか……どこで知り合ったのか、とか」

「みんな興味あるんだな。やっぱり恋愛が一番楽しい時期なんだろうな」

「あと、どこまでいってるかとか……」

「どこまでって……、なんつぅ話してんだよ。……で、なんて答えた?」


先生の言葉に、少し口を結んで顔を歪める。


「……だって、先生がみんなの前であんな事言うから、だからいけないんだよ」

「だから、なんて答えたんだよ」


あたしの意味不明な釈明に、先生は怪訝そうに顔をしかめる。

そんな先生に、少しだけバツの悪さを感じながら放課後の流れを説明した。




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