甘い魔法―先生とあたしの恋―
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「先生のばか!! 教えてくれればよかったのにっ!」
18時30分、ドアを開けた先生を怒って迎え入れた。
寮のドアを開けた途端に怒り出したあたしを見て、先生は楽しそうに笑う。
「だっておまえ気付いてないみたいだったから。つぅか、ちゃんと教えてやったろ?」
「授業中なんかに教えないでよっ! っていうか絶対わざとでしょ!!
放課後、みんなに色々言われて超大変だったんだからね?!」
「あー、それでコレなんだ?」
「……っ」
あたしの鎖骨の上辺りの絆創膏を指で触りながら、先生がふっと笑みを零す。
意地悪にも取れる笑みに、先生の手を払いながら不貞腐れる。
「みんなに何聞かれたんだよ」
「……彼氏がどんな人かとか、何歳かとか……どこで知り合ったのか、とか」
「みんな興味あるんだな。やっぱり恋愛が一番楽しい時期なんだろうな」
「あと、どこまでいってるかとか……」
「どこまでって……、なんつぅ話してんだよ。……で、なんて答えた?」
先生の言葉に、少し口を結んで顔を歪める。
「……だって、先生がみんなの前であんな事言うから、だからいけないんだよ」
「だから、なんて答えたんだよ」
あたしの意味不明な釈明に、先生は怪訝そうに顔をしかめる。
そんな先生に、少しだけバツの悪さを感じながら放課後の流れを説明した。