甘い魔法―先生とあたしの恋―
ねぇ……先生。
そんな顔しないで。
理由も分からないまま、そんな顔されたって……、どうしていいか分からないよ。
一緒にいるから……だから、あたしにも触れさせてよ。
先生の心の奥にあるキズに、あたしにも触れさせて。
治せるかは分からないけど……
でも、それを共有するくらいは出来るから。
つらいならそう言ってよ。
置いていかれた事がトラウマになってるなら、そう言って。
ただ笑って誤魔化されたって、分かんないよ。
せめて、そのキズごと、先生を抱き締めさせてよ―――……
なかなか素直になれないけど……
すごくすごく、苦しくなるくらいに
先生が好きなんだから。