甘い魔法―先生とあたしの恋―
「超ラブラブだし。……うざいくらいに」
「やっぱ違うよねー。実姫の訳ないか」
「だよね。清水くんみたいなカッコいい彼氏いるんだし、あんなに大事にされてるとこ見ちゃえば……考えられないしね」
「でも、誰だったんだろー……あー、矢野センにだったらあたしも抱き締められたい」
次々と交わされる会話に、笑い声。
そんな中、あたしのケータイが震えた。
from.和馬
sub.
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ってことだからさ、
協力ぐらいさせろよ。
幼なじみなんだから
遠慮とかすんなって。
あんな他人行儀なメール
寂しんだけど。
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from.矢野
sub.
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なんか噂になってるけど
相手おまえだからな。
浮気とか疑うなよ?
上手く誤魔化したから
大丈夫だから。
おまえはいつも通りに
してろ。
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同時に入ってきた2通のメールに、涙が溢れた。
和馬に、無理して庇ってもらえるほど、あたし、いい子じゃないのに……
先生に、そんなに気遣って大切にしてもらえるほど、いい子なんかじゃないのに……
あたしの事を、笑顔で必死に庇ってくれた和馬に
自分の傷付いた気持ちを隠しながら笑ってくれた和馬に……胸が苦しくなる。
寮に帰れば話せるのに、それでも昼休みにこんなメールをくれる先生に
あたしの不安を少しでも早く取り除こうとしてくれる先生に……涙が溢れる。