甘い魔法―先生とあたしの恋―
その日は……
ずっと和馬に聞いた言葉が頭から離れなかった。
和馬の言葉だけじゃない。
今までの事。
……先生との今までの事が、頭の中に繰り返し思い起こされていた。
先生の笑顔だとか
意地悪な言葉だとか
朝の寝起きの悪さだとか
寂しそうな横顔だとか
傷付いた目とか……
それを隠して笑う、悲しそうな微笑みだとか―――……
なぜだかどんどん浮き上がってくる先生の記憶。
どんどん、どんどん、終わることなく頭の中に映像化される先生が、あたしの胸を締め付けて離さない。
苦しくて苦しくて……
でも、きっとあたし以上につらいハズの先生を思うと、どうしょうもなく切なくなって……俯かせた顔を歪ませる。
これ以上、先生が傷付かないようにするには、どうすればいいんだろう……
これ以上、先生が苦しくならないようにするには、どうしたらいいんだろう……
そればかりをずっと考えてた。