甘い魔法―先生とあたしの恋―



先生の事だって……

本当は大丈夫なんかじゃない事、分かってたのに。


どうにかしなくちゃいけないって……

思ってたのに……。



今の関係を変えたくなくて

……見ない振りをしてた。





『バラしますから』

吉岡さんの言葉に、あたしは唇を噛み締める。



もしも……

もしも、吉岡さんがバラしたら……



先生はあたしを庇うんだ。

この間の噂の時みたいに……、あたしを庇う。



あたしが

先生から何もかも奪うんだ……





あたしの為に、先生は―――……




なんで……?



ただ、好きなだけなのに……

それだけなのに……



たった、それだけなのに、あたしの存在が先生を苦しめる。




どうしたらいいの……?





先生……

あたし、どうしたらいい――――……?






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