甘い魔法―先生とあたしの恋―
俺が言えないでいた事を言い出してくれた市川を、やっぱり好きだと思った。
きっと、俺よりもつらかった市川を、
心の底から大切だって思った。
別れを切り出されて、余計に―――……
痛みにも似た愛しさが溢れ出して、胸の辺りをいっぱいに埋め尽くす。
頭に浮かぶのは、市川の笑顔と泣き顔。
感じるのは……、
市川への想い。
痛いくらいの、想い―――……
ごめんな……
嘘付かせて。
教師で、ごめん。
泣かせて、ごめん。
好きなのに、
大切でしょうがないのに。
引き止めてやる事さえ出来なくて、本当にごめん―――……