甘い魔法―先生とあたしの恋―
「……別に他に見つけろなんて、言わないよ。
気分転換にちょうどいいかなって……。
あまり一人でいたくないかなって思ってさ。
……あたしもなんか、気分転換したいし……」
諒子の曇った表情に、あたしは首を傾げる。
考えてみれば……、合コンだとかそういう事、諒子は好きじゃない。
一年の時は結構色んな男の子と遊んだりしてたけど、両親の再婚が決まって少ししてからは、誘いも全部断ってたのに……。
なんで、急に……。
気分転換って……。
ますます不思議に思って諒子を見ると、諒子はすぐに笑顔を作ってあたしに向けた。
「今日のは普通の合コンじゃないんだって!
会費全部向こう持ちなんだ。
やけ食いでもしようよ。で、元気だそっ」
正直、あまり乗り気じゃなかったけど。
諒子の明るい笑顔に何か隠された想いがある気がして……。
小さく笑顔を返した。