甘い魔法―先生とあたしの恋―


「5秒以内に言えたら聞いてやるよ」

「……ぁっ……、……」


再び重なってきた先生の唇に、驚きながらも……それを受け入れた。

もう、形だけの抵抗すら出来ない。


溢れ出す気持ちが大きすぎて……

もう、嘘なんて、つけない―――……


「……あと2秒だけど?」


途中、そう言ってキスを中断させた先生を、あたしは涙の溢れる目で見つめる。


そして、先生のネクタイを掴んで引き寄せて、


「2秒なんかじゃ足りない……」


あたしから、先生にキスをした。




どんなに嘘を並べても

どんなに涙を我慢しても

どんなに笑顔を作っても


『生徒』を演じようとしても……


心を、身体中を……、

あたし全部を支配する先生への想いを、隠せるハズなんてなくて……

嘘なんかで、誤魔化せるハズがなくて……




それでも、隠し続けていた想いが……


あたしの中で

一気に溢れた―――……










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