甘い魔法―先生とあたしの恋―
『暇つぶし』
『遊びにもなんねぇし』
啓太の言葉が頭の中をぐるぐると回って……何かで殴られたような鈍い痛みを、あたしに残す。
何も考えられないくらいにショックで……。
どうしていいのか分からないくらいに、動揺していて……歩くのが、やっとだった。
寮に帰ればいいのに、そんな気分にはなれなくて、暗い道を歩く。
恐怖すら感じていた暗闇が、今はなぜだか妙に落ち着いて……でも、手に持っていたビニール袋の重さがあたしを帰路につかせた。
涙が静かに頬を伝う。
分かってたのに……。
あんな風にはっきりと言われるとやっぱりショックで。
自分がまだ啓太を好きなのかどうかさえ分からないのに、ショックで。
冷たくされても、
会えなくても、
殴られても……
それでもすがりついてたあたしって、なんなんだろう。